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  • サラリーマン感覚の社員はダメなのか?

    以前、知人の役員の方が、このような会社の不満をおっしゃっていた。

    「ったく、どいつもこいつも、うちはサラリーマン感覚の社員ばかりだな。」

    その役員の方は社員にサラリーマンとしてではなく、経営者のつもりで働いてほしいと思っているみたいです。

    このブログを読んでいる方で、この役員の方の言葉に同調する方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそこには2つの問題があると思います。

     

    まず第一にに、「社員」は「社員」であり、役員ではありません。

    そもそも社員として雇っているのですから、役員と同じ仕事を求めること自体おかしな話です。

    これは甘えであり、このような経営層の甘えた考えがブラック企業を生むのです。

    「役員がサラリーマン感覚で~」というのなら話はわかりますが、社員が社員の役割を果たしているのですから、この事に不満を持つこと自体、お門違いなことなのです。

    社員は社員、役員は役員としっかり区別をつけるべきです。

     

    第二に、そのような人材になってほしいのであれば、そうなるように育てるのが経営層の仕事です。

    自身の役割を果たさずに社員に責任を押し付けるのは、責任者として失格です。

    理想の人材に育つシステムを構築していないために起こっていることですから、責めるのは社員ではなく、経営層であるその役員の方自身を責めるべきなのです。

    「会社から育てようとせず、自ら努力する見込みのある人材を重要なポストにする」

    という考えの経営者の方もいらっしゃいますが、では自ら努力しない社員しかいなかったらどうするのでしょうか?

    結局、最終的な責任は経営者であるあなたが取らなければならないのです。

    社員任せにすればその分の時間を作れるというメリットはありますが、自分がコントロールできなくなるという大きなリスクも同時に背負うことになります。

     

    もしこのような事を思っている経営者の方がいらっしゃったら、ぜひ役割と人材育成について、もう一度考え直していただきたいと強く願います。

  • 仕事ができないマネージャーが会社をダメにする

     ある会社での話です。

    約100名の従業員を抱えるその会社で、1カ月以内に勉強をした人がどれくらいいるか調査しました。

    そしたら、その結果がなんとたったの3名。

    経営者とマネージャーで1人、従業員で1人でした。

    アメリカでは年収10万ドル以上稼いでいるビジネスマンのほとんどが勉強しています。

    もしそのようなビジネスマンを抱えた企業が、この会社の業界に参入してきたら…

    結果は目に見えてます。

    社会人になったばかりの新入社員ならまだしも、組織を束ねるマネージャーがこのような姿勢では、指示待ち、上からの命令を伝えることくらいしかできません。

    そのようなマネージャーばかりで、会社を伸ばしていけるでしょうか?

     さて、本題に入りますが、先日ある会社のマネージャーが他の社員がいる前でミスをした部下を叱っている場面を目撃しました。

    注意をしている程度なら、それほど気にならないのですが、そのマネージャーは「仕事を覚えろ」と言いながら、カンカンになって怒っています。

    たぶんこのマネージャーも勉強をしていないのでしょう。

    マネージャーなのに、マネージメントを知らないのです。

    部下に「仕事を覚えろ」と言いながら、自分もマネージメントの仕事を覚えていないのです。

    このマネージャーは仕事ができて、マネージャーになったのかもしれませんが、マネージャーの仕事はできてないようです。

     時と場合によりますが、基本的に他の人がいる前で叱ってはいけません。

    人前で叱ると叱られた人の自尊心を余計傷つけることになるからです。

    あえて人前で叱ったり、時には怒鳴って強く叱るという会社もあるようですが、短期的な視点では効果がありますが、長期的な視点で見れば、デメリットの方が大きくなります。

    強くインパクトのある叱り方は、強烈な印象を与えるので、早く仕事を覚えさせたり、仕事をさせることができます。

    ただし、同時に強いストレスを与えることになるので、そのようなマネージメントをすると離職率が高くなります。

    せっかく仕事ができるようになっても、辞められてしまっては意味がありません。

    そうなると、また新しく入ってきた部下に同じようにして、また辞めるという同じことの繰り返しになってしまいます。

    そして、あまりにもひどいとインターネットでブラック企業として叩かれるでしょう。

     人間は怒られても動きますが、褒められても動きます。

    毎日怒られながら仕事を覚えていくのと、毎日褒められながら仕事を覚えていくのとでは、どちらがストレスなく仕事ができるでしょうか?

    これは、言うまでもなく後者でしょう。

    もしあなたの会社で良い人財が育たないことで悩んでいたら、それはもしかしたらマネージャーに問題があるのかもしれません。

    そして、最終的にはそのマネージャーを育てたあなたに責任があるのです。

    だからといって、明日いきなりマネージャーに「今日から勉強をしろ」と言っても、まず失敗します。

    それは、マネージャーが勉強しないのは、それなりの理由があるからです。

    ・残業が多くて勉強する時間がない…
    ・給料が少なくて勉強するためのお金がない…
    ・何を勉強すればいいかわからない…
    ・そこまでするほど給料をもらっていない…
    ・そこまでするヤル気がない…
    などなど、いろいろな理由があると思います。
    (具体的な解決法について書くと長くなるので機会があれば書きます)

    なので、それらの問題を解消して、自然とマネージャーが勉強する仕組みを作ってあげれば、自然と優秀なマネージャーが育っていくはずです。