以前、知人の役員の方が、このような会社の不満をおっしゃっていた。
「ったく、どいつもこいつも、うちはサラリーマン感覚の社員ばかりだな。」
その役員の方は社員にサラリーマンとしてではなく、経営者のつもりで働いてほしいと思っているみたいです。
このブログを読んでいる方で、この役員の方の言葉に同調する方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそこには2つの問題があると思います。
まず第一にに、「社員」は「社員」であり、役員ではありません。
そもそも社員として雇っているのですから、役員と同じ仕事を求めること自体おかしな話です。
これは甘えであり、このような経営層の甘えた考えがブラック企業を生むのです。
「役員がサラリーマン感覚で~」というのなら話はわかりますが、社員が社員の役割を果たしているのですから、この事に不満を持つこと自体、お門違いなことなのです。
社員は社員、役員は役員としっかり区別をつけるべきです。
第二に、そのような人材になってほしいのであれば、そうなるように育てるのが経営層の仕事です。
自身の役割を果たさずに社員に責任を押し付けるのは、責任者として失格です。
理想の人材に育つシステムを構築していないために起こっていることですから、責めるのは社員ではなく、経営層であるその役員の方自身を責めるべきなのです。
「会社から育てようとせず、自ら努力する見込みのある人材を重要なポストにする」
という考えの経営者の方もいらっしゃいますが、では自ら努力しない社員しかいなかったらどうするのでしょうか?
結局、最終的な責任は経営者であるあなたが取らなければならないのです。
社員任せにすればその分の時間を作れるというメリットはありますが、自分がコントロールできなくなるという大きなリスクも同時に背負うことになります。
もしこのような事を思っている経営者の方がいらっしゃったら、ぜひ役割と人材育成について、もう一度考え直していただきたいと強く願います。
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