投稿者: sinoffice

  • 日本をダメにしたのはB層なのか?

    週プレNEWSで「日本をダメにした“B層”ってなんのこと?」という記事がありました。

    ちなみに、B層とは『マスコミ報道に流されやすい、比較的IQが低い人たち』のことだそうで、そのB層が、選挙だけでなく、マーケットもおかしくしたということを訴えています。

     

    記事中に「A層はB層を相手にしたらお金になるから、マーケティングを駆使して、積極的にB層向け商品を作り続ける。B層はそれにカモられ続けるわけです」と書いており、カモられ続けている人間が悪いというのは、「詐欺に引っ掛かったら騙された方が悪い」と言っているのと同じです。

    カモる方の責任には一切触れず、カモられる方の責任だけ問う姿勢に違和感しか感じません。

     

    「それと一流のものが例えば『コスパ』といった一面的な価値観によって並列に扱われるようになっている」ことに疑問があるのは私も同じです。

    しかし、その原因はB層をカモにして、コスパといった一元的な価値に誘導したA層(企業、マーケッター、広告代理店)に責任があるのではないでしょうか?

    価格競争をして「安さ」の訴求をすれば、短期的には簡単に売上を伸ばすことができます。

    しかし、安さやコストパフォーマンスを訴求すれば、利益率が下がるだけでなく、適正価格を下げ、消費者の判断基準を価格志向に変えてしまいます。

    この記事を読む限りでは、デフレに誘導しているのは、A層ではないでしょうか。

     

    私に来るお問い合わせの中にも、記事中のB層に定義される方が多くいます。

    その方々は、言ってみればユニクロの価格でルイ・ヴィトンの商品を求めているのと一緒です。

    価格は最安値、品質は一流ブランドを求めてきます。

    しかしそれは、企業やメディア、広告代理店が、コストパフォーマンスばかりしか訴求や報道してこなかったからです。

     

    それに、よほどその業界に詳しい消費者でない限り、商品の価値を100%理解することはできません。

    ルイ・ヴィトンはブランドがあるから、価値がわかるのであって、一般の会社はブランドがないので、消費者はその会社の商品がユニクロレベルなのかルイ・ヴィトンレベルなのか判断ができないのです。

    だから、判断基準が価格だけになってしまうということもあります。

     

    いくら嘆いたところで、B層がいなくなるはずがないですし、自社の商品のことをわからない方に、どのような商品かを知ってもらうのが、マーケティングであったり、商売なのですから、商品の良さを訴求せず、安易な価格訴求ばかりをして、世論をコストパフォーマンス・価格志向に誘導(洗脳)してきたマーケッターやメディア、広告代理店に問題があるのではないでしょうか。

     

    日本をダメにした“B層”ってなんのこと?

  • 不況からの脱出~業績が悪い会社に足りないものとは?

    「物が売れない」
    「価格を安くしないとダメだ」
    など、不況やデフレを嘆く経営者がいますが、私は経営者の甘えだと思います。

    全体を見ると、確かに不況ですし、デフレなのは間違いありません。

    しかし、全ての会社が不況とデフレの影響を受けているかと言えば、そうではありません。

    このご時世の中でも、商品を売り、価格競争にも巻き込まれず、高い収益を上げている会社はあるのです。

    ですから、不景気の会社が多かろうと、不況や価格競争に巻き込まれたのは、経営者の責任なのです。

    今回は、今の不況で多くの会社が業績が悪くなっている原因と抜本的な改善策について書きたいと思います。

     

    物が売れない理由とは?

    バブル経済が弾けて、日本の景気が一気に悪くなり、さらにリーマンショックの影響で、景気が一段と停滞しました。

    世間一般的には不況の原因をこのように解説していますが、もっと掘り下げると、消費者心理の変化も関係しています。

    高度成長期はなぜ物が売れたのか?

    高度成長期は、日本人の多くの割合を占める団塊世代の方が、子供を育てる時期だったため、必然的に消費が多くなる年代だっただけでなく、テレビや洗濯機、マイカーなどが発売され、物がなかった時代から物質的に豊かになっていく過程だったので、たくさんの商品が売れました。

    つまり、
    1、消費が多い世代の人口が多かった
    2、物質的に豊かになっていく段階だったので、新しい商品が売れた
    この2点が下支えしていた訳です。

    なぜ今は物が売れないのか?

    しかし、現在は比較的人口比率の多い団塊ジュニアと呼ばれる世代は、ちょうどバブルが弾け、就職がままならなかったばかりか、非正規雇用の影響で、将来の不安を感じ、結婚・出産ができなかったり、消費に回せるお金があまりありません。

    しかも、これが団塊ジュニア以下の世代まで続いています。

    さらに、現在は「物がない」という時代ではなく、物が溢れている状態になっています。

    多くのマーケティング手法がうまくいかない根本的な理由

    いろいろなマーケティング手法があります。

    優れたマーケティング手法で多少は売れるかもしれませんが、根本的にテレビを持っている人に「テレビ買いませんか?」と言っているのですから、たくさん売れるはずがないのです。

    なぜ格競争に巻き込まれた上、業績も悪くなっていくのか?

    物が売れないから値段を下げる→「安ければ買ってもいいか」と思った消費者が商品を購入する→また売上が下がってきたら値段を下げる…の繰り返しで、どんどん価格競争に巻き込まれていきます。

    元々、需要がないのに商品を売る訳ですから、たくさんの数を売ることはできませんし、価格を下げなければ、商品は売れません。

    不況の影響を受けている会社に足りないものとは?

    個人的に仕事・プライベートを通じて、たくさんの企業を見てきて、多くの企業に足りないものは「イノベーション」だと思います。

    経営の神様ドラッカーがイノベーションについて言及していましたが、正にドラッカーが言っていたイノベーションが足りないから、不況の影響を受けているのです。

    先程も例として書きましたが、テレビを持っている人にテレビを売ろうとしても、売れないのです。

    高度成長期は物質的に豊かになっていく過程の時代と書きましたが、高度成長期の頃は、カラーテレビや洗濯機、掃除機、(一般の人が買える)自動車などなど、たくさんのイノベーションがありました。

    イノベーションによって、新たな需要を創造することができたので、コモディティ化が起きず、価格競争にもならなかったのです。

    今、このイノベーションがある会社はどれほどあるでしょうか?

    ビジネスの利益は、付加価値を提供することによって生まれます。

    物が溢れている時代に、その人が持っている物を売るのに、どれほどの付加価値があるでしょうか?

    「お客様を大切にする」「接客は笑顔で」など、顧客を大事に扱うことに力を入れている会社もありますが、確かにお客様を大切にするということは大事です。

    また、プロモーションに力を入れて、商品の良さを理解してもらうというのも大事です。

    しかし、それは問題の本質を解決しようとしない表面的な方法であり、いくら顧客を大切にしたところで、付加価値を提供できなければ、お客様は別の会社に行ってしまいます。

    こんな表面的な方法で甘んじているから、不況の影響をまともに受けてしまうのです。

    冒頭で、「経営者の甘え」と書きましたが、これがその理由です。

     

    もう一度繰り返します。

    ビジネスの利益は、付加価値を提供することによって生まれます。

    ただ商品を提供することは付加価値ではありません。

    不況の影響を受けているという経営者の方は、「自分の会社はイノベーションがあるだろうか?」「そのイノベーションでお客様に付加価値を提供しているだろうか?」という2つを見つめ直してみてください。

     

    ※アマゾンは商品の提供のしかたで付加価値を付けています。

     

  • 金持ち父さん(倒産)、貧乏父さん(倒産)

    タイトルは皮肉です。

    久しぶりの更新ですが、今回は『金持ち父さん、貧乏父さん』で有名なロバート・キヨサキ氏について、書きたいと思います。

    ご存じの方も多いかと思いますが、ロバート・キヨサキ氏の会社が倒産する予定です。

     

    ご存じない方のために、簡単にご説明しますと、『金持ち父さん、貧乏父さん』のブランド化やプロモーションを行っていた会社が、未払いの代金を請求する裁判を起こし、裁判所は料金の支払いをロバート・キヨサキ氏の会社に命じました。

    個人の資産や別の会社の資産を注げば払えるのですが、支払いを避けるため、請求された会社を倒産させ、別の会社で事業を存続していくということでした。

     

    請求された会社を倒産させれば、確かに支払いを避けられます。

    ただ、未払いの代金の支払いを避けるために、会社を倒産させ、別の会社で事業を継続させるのは、悪く言えば「合法的な借金の踏み倒し」です。

    金持ちになる方法を教えているので、『金持ちになる』という趣旨からは、ずれていないかもしれません。

    ノウハウの販売は言わば人気商売と同じで、「どれだけ支持されるか?」が重要です。

    ここまで『金持ち父さん、貧乏父さん』を育てた会社に対して、そのような仕打ちをすることに、少なくても私は反感を抱き、今後『金持ち父さん、貧乏父さん』に関連するものを購入するのをやめようと思いました。

     

    私の他にも反感を持った方も多いことでしょう。

    それを考えれば、『金持ち父さん、貧乏父さん』ブランドのダメージは測り知れず、数年先のことまで考えれば、請求額よりも多い損失になるかと思います。

    有名な分、別のブランドを立ち上げることも難しくなりますし、なぜ今回支払いをそこまで渋ったのか私には理解できません。

  • 最高のコンサルタントとは?

    今まで何人もの経営コンサルタントを見てきましたが、誰一人として「すごい」と思える人がいませんでした。

    本来会社によって全く異なるので、知的労働が多いはずなのに、本に書いているようなことをほぼそのままやるだけ。

    これではケース毎のマニュアルさえあれば誰でもできるような仕事です。

    当のコンサルタントは一生懸命やっているのかもしれません。

    しかし、第三者から見ればそのように映るのだからしょうがありません。

    誤解しないでいただきたいのは、経営コンサルタント全員がダメだと言ってる訳ではなく、あくまでも私の体験です。

     

    経営コンサルタントはプロである以上、会社を良くできなければなりません。

    しかし、世の中に本当に会社を良くできるコンサルタントがどれくらいいるのでしょうか?

    ビジネスは価値の委譲です。

    なんの役にも立たないコンサルタントなら価値を生み出していると言えるのでしょうか?

    価値のない物にお金を支払うほど無駄なことはありません。

     

    繰り返しますが、全てのコンサルタントがダメだと言ってる訳ではありません。

    良いかどうかわからないコンサルタントを雇うなら、その前に最高のコンサルタントを試した方が良いという話です。

    最高のコンサルタントとは、誰だと思うでしょうか?

    「それは私です」と言いたいところですが、私よりももっと優れたコンサルタントがいます。

    そのコンサルタントとは「お客様」です。

    お客様の声を活用するというのはいろいろな本で書かれていますが、あえてその重要性を書きたいと思います。

     

    焼き肉チェーン店の「牛角」がお客様の声を活用して成長したことは有名な話です。

    ではなぜお客様の声は重要なのでしょうか?

    商品やサービスを購入してくれるのはお客様です。

    ですから、顧客心理を誰よりもわかっているのは経営コンサルタントではなく、お客様自身なのです。

    誰よりも顧客心理がわかっている人がアドバイスをくれるのですから、これ以上のことはありません。

    しかも、その最高のアドバイスを経営コンサルタントと比べると、微々たる経費でしてくれるのですから、費用対効果も最高なのです。

     

    お客様の声の中でも特に重要なのがクレームや悪評です。

    クレームと聞くと面倒だと思う方が多いでしょうし、悪評などは耳を塞ぎたくなるかもしれませんが、クレームと悪評にこそ改善のヒントが隠されているのです。

    クレームは、顧客満足を高め、リピート率を向上させるヒントを与えてくれます。

    しかも、サポートセンターを設置しておけば、わざわざお客様の方からタダでそのヒントをくれるのですから、これほどありがたいことはありません。

    また、ユニクロを展開しているファーストリテイリングの柳井会長は、以前インタビューで次のようなことをおっしゃっていました。

    「買わないお客様は、なぜ買わないのか考える」

    普通なら、「どうやったら買うか?」ばかりを考えているかと思います。

    しかし、柳井会長はその逆の発想なのです。

    「なぜ買わないのか?」のヒントが詰まっているのが悪評なのです。

     

    経営コンサルタントを雇うのもいいでしょう。

    しかし、その前に最高のコンサルタントである「お客様」に聞いてみるのはいかがでしょうか?

  • 勉強力を鍛えよう

    私は簿記の2級を社会人になってから独学で勉強して取得したのですが、上司からこのように言われました。

    「おめでとう。“どこかの学校に通ったの?”」

    その上司は、資格を取得するなら学校に行くのが当たり前だと考えていたようです。

     

    世の中で「資格取得」というと、本来は「何かに活かす」ことを目的としていますが、最近では「資格を取ること」が目的となっているケースが多いように感じます。

    「資格を取ること」が目的なら、学校に通った方が効率が良いかもしれません。

    しかし、本当に良いビジネスマンになるためには、学校に通って知識を詰め込むだけでなく、“学びとる力”、つまり「勉強力」が重要だと私は考えます。

    ※「勉強力」は私の造語です。

    学校に通えば資格取得に必要な知識を“与えて”くれますが、自ら学びとる力、「勉強力」が鍛えられないのです。

     

    松下幸之助の犬の尾からでも学べるという話がありますが、勉強力のある人は、何気ないことからでも学ぶことができ、どんどんビジネススキルを上げていきます。

    ですが、勉強力のない人は何を学ぶべきか人から教えられないと、学ぶことができません。

    実際のビジネスの現場で考えた時、マニュアルを与えれば、勉強力のない人でも、ある程度能力を向上させることができます。

    しかし、トップ階層や最新の技術になればなるほど、ほとんどマニュアルが通用せず、自ら学びとらなければならなくなります。

    つまり、サラリーマンなら勉強力がなくてもいいが、会社のトップであったり、これから起業を考えている人だったら、勉強力が必要なのです。

  • 商品の価値を理解し、対価を支払おう

    デフレと言われるようになって、もう何年も経ちますが、安易に価格ばかりに注目する人が増えたように感じます。

    インターネットの普及に伴い、情報が溢れるようになり、簡単に比較できるようになったのもその背景にあるのかもしれません。

     

    安く買えるというのは購入者にとってありがたいことですが、価格だけを重視して、「対価を支払う」ということを忘れてしまえば、いずれそのしっぺ返しを受けることになるでしょう。

    ナポレオン=ヒルは、「何かを得るには等価の物を差し出さなければならない」というようなことを言っていますが、「安い=良いこと」という印象を与えるようなマスコミの報道で、感覚が麻痺してしまっているのかもしれません。

     

    先日、私がやっているビジネスでこのようなお客様がいらっしゃいました。

    私がやっているビジネスは、業界の中でもかなり高い水準のサービスを提供しておりますが、価格はかなり低く設定しています。

     あるお客様が、私のビジネスを見て「価格が高め」だと言うのです。

    確かに低品質・低価格の会社と比べると若干高めです。

    しかし、同水準の他社と比べると数分の一の価格設定なので、品質を考えるとありえないほどの低価格なのです。

    しかも、話を聞くと、低品質・低価格の会社の料金で、高品質・高価格の価値を求めていたのです。

     

    ユニクロを展開するファーストリテイリング社が「g.u.」という低価格を武器にしたブランドもやっております。

    できるだけ良い買い物をしたいという気持ちはわかりますが、、「g.u.」の料金で「グッチ」を買うことはできません。

    いつかどこかで「g.u.」の料金で「グッチ」が買えると思える物が見つかったとしても、いずれそれが「g.u.」の価値しかないことに気付き後悔することでしょう。

     

    ナポレオン=ヒルが「世の中は等価の法則で成り立っている」ということを言っていますが、成功法則としてだけでなく、これは本来当たり前のことですが、いつしか忘れ去られようとしているのではないでしょうか?

    以前にも書きましたが、無駄な経費を削減するという考え自体は悪いことではありませんが、必要な経費をケチるのは、あまり賢いやり方ではありません。

    一番重要なのは、「適切」であり、「安物買いの銭失い」ではないのですから。

  • 新巨大市場 86、ゲーセン…若者向けのはずがシニアばかり

    面白い記事がYahooニュースに載っていたので転載します。
     
    ~以下転載~
     
    新巨大市場 86、ゲーセン…若者向けのはずがシニアばかり
    フジサンケイ ビジネスアイ 5月2日(水)8時15分配信
     
     トヨタ自動車が4月に発売した新型スポーツカー「86(ハチロク)」。トヨタとして5年ぶりとなるスポーツカーは「若者にもう一度クルマの魅力を伝えたい」というコンセプトで開発された。価格も30歳前後の収入でも手が届くよう、売れ筋モデルは200万円台に抑えた。

     ところが、東京トヨペットのカーテラス渋谷店(東京都渋谷区)が発売後、最初の週末に開いた試乗・商談会に詰めかけたのは、60代前後のシニアが大半だった。2月の予約開始から1カ月間で受注が月間目標の8倍の8000台を突破し、うち50歳以上が25%以上を占めた。

     「家族はもう一緒に乗らないので、自分専用に」と、東京都調布市の男性会社員(58)。杉並区の会社員(61)は「足回りを自分なりに改造したい」と目を輝かせた。1980年代には、型式番号の「86」の愛称で呼ばれ、若者に人気があった「カローラ レビン」の復活として話題になった。ただ、シニア層は当時のブームを知らない。単に郷愁に誘われたわけではない。「実は、われわれの世代がほしい車。たぶんシニアが動くよ」。豊田章男社長(55)が発売前にこう話したように、トヨタとしてもある程度は想定内の反応だった。「86」の開発担当者は「リタイア後は、自分の楽しみを優先したいというシニアはスポーツカーを待っていた」と、してやったりだ。

     「大人は『ひじき』より『とんかつ』でしょう」

     コンビニ大手のファミリーマートが2010年に立ち上げた50~65歳向け商品の開発を手がける「おとなコンビニ研究所」。第1弾の商品となる弁当の開発にあたり、和食の総菜を主体にしようとしたファミマのスタッフに、シニアの交流ネットワーク組織「クラブ・ウィルビー」の男性会員が猛烈に反論した。結局、第1弾の3品には鹿児島産黒豚を使った「ロースとんかつ弁当」などが採用された。昨年11月には東京・代官山にシニア向けコンビニの1号店をオープン。売り場には、有機食材を使ったボリュームのある弁当やイタリアン総菜などが並ぶ。

     クラブ・ウィルビーを主宰し、ファミマの研究所長に招かれたメディアプロデューサーの残間里江子氏(62)は、こう言う。「団塊の世代は、自分たちが実年齢より10~13歳若いと考えていて、年寄り扱いが大嫌い。子供時代に洋画やホームドラマでアメリカ文化の洗礼も受けている。年を取ったら控えめにするという従来の社会通念には当てはまらない」。

     「若者のたまり場」というゲームセンターの“常識”も、大きく変わるかもしれない。「箱の隙間を狙えば取れますよ」。ゲーム大手のカプコンが千葉県印西市の大型ショッピングセンターで運営するゲームセンター。同県白井市の男性(78)は、孫と同世代の若いスタッフにクレーンで景品を獲得するゲームの指南を受けていた。「平日は仲間ときても面白いし、休日に孫と一緒にくれば格好いいところをみせられる」。この男性は見事に景品をゲットした。

     カプコンは、各地で開催しているゲーム教室でシニア層の取り込みに力を入れる。1970年代後半に一世を風靡(ふうび)したテレビゲーム「スペースインベーダー」にはまった世代だけに、OP運営開発部の青木純也部長は「必ずゲームセンターに回帰する」と、自信をみせる。

     「アクティブ・シニア」と呼ばれる巨大な購買層のニーズをつかもうと、企業は試行錯誤を続けている。DVD・CDレンタルのカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の増田宗昭社長(61)は、自らも含め60代以上を「プレミアエイジ」と名付けた。加盟する全国約4万5000店で約4000万人が利用するポイントカード「Tポイント」サービスの膨大なデータも駆使し、その消費動態を探る。昨年12月には満を持して東京・代官山に「おとなのTSUTAYA」をコンセプトにした「蔦屋書店」をオープンした。

     店に置く映画や音楽は往年の名画や懐メロを重視する一方で、書籍フロアには情報に敏感なシニアを意識して世界中から約3万冊の雑誌を集めた。カフェを併設するなど、店作りでは「上質」にこだわった。午前中から夕方はシニアや主婦層でにぎわい、夜には若者や出版・音楽業界関係者が集まる人気スポットになっている。増田氏は、一つの答えを見つけた。「日本の人口構成上、若い人を追いかけてもビジネスは成長しない。『韓流』は、時間とお金のある中高年女性が作ったブームだった。次は60代以上の男性が主役。『こういうふうにかっこよく生きようぜ』と提案したい」

     終戦直後の1947~49年の第1次ベビーブームに生まれた巨大な団塊の世代が今年から65歳となり、完全リタイアの「適齢期」を迎えた。60歳以上の消費支出は100兆円を超え、日本全体の44%を占めると試算されている。高度経済成長を支え、厳しい競争社会を生き抜いてきた世代は、多様な価値観を持ち行動的で、従来のシニアの枠にははまらない。新しい経済のうねりを追った。

     
    ~転載ここまで~
     
    こういった記事が見ると、「今の団塊世代はアクティブなんだな」と短絡的に考える人がいますが、あくまでも団塊世代の中の一部ですから、団塊世代全体のニーズではありません。
     
    「こういったセグメントもあるよ」という記事ですから、誤解しないように。
  • 経費削減の真逆の発想~あえて経費を多く掛けるという考え方

    様々な業界でコモディティ化が進み、多くの業界が価格競争に陥っている今、経費削減が声高に主張され、至る所で経費を削減しています。

    価格競争に打ち勝つため、利潤を高めるために正しい選択だと思われがちですが、必要なコストまで削減してしまったり、長期的視野が欠けていることに気付いていない会社が多いように感じています。

     

    会社の創業期は、まず利益を上げることが最重要課題となりますが、ある程度経営が安定した後は、利益を高めるという言わば「攻め」の要素の他に、経営を安定させるための「守り」の部分も必要になってきます。

    その「守り」の部分で大切になってくるのが、リスクマネージメントです。

    リスクマネージメントとは、言葉通り「危機管理」のことで、いかに危機を想定し、回避するかだけでなく、危機に対しての対処法まで描くことが必要です。

    人件費を多く掛けるという考え方

    さて本題に戻りますが、経費削減の真逆を行くあえて経費を多く掛けるについてですが、様々な分野で多く経費を掛けることでメリットを得ることができます。ちなみに、もちろん闇雲に経費を掛ければいいという意味ではありませんのでご注意を。

    例えば人件費ですが、非正規雇用が増えていますが、重要な職務を正社員で、それほど重要でない職務を非正規雇用で賄っている会社があります。

    一見とても合理的な判断のように見えますが、私はそうは思いません。

    非正規社員と正社員では、会社に対するロイヤリティが変わってきますし、モチベーションも変わってくるからです。

    「お金をもらってるんだから一生懸命働け」と思う経営者の方やマネージャーもいらっしゃるかもしれませんが、それは無理な話です。

    ナポレオン=ヒルの考えを引用すれば、等価ではないからです。

    人間は能力の違いがあるにせよ、与えられたものと等価の仕事をします。

    ですから、非正規社員というものを与えておきながら、正社員の働きを得ることができないのです。

    それは、味噌ラーメンの料金しか払わないのに、「チャーシューメンにしろ」と言ってるのと同じなのです。

    仕事だけでなく、非正規社員が思わぬトラブルを起こしてしまったニュースをテレビでよく見かけますが、これももしかしたら正社員で社員教育を徹底していたら防げていたかもしれないです。

    「非正規社員にも正社員並の社員教育をする」と思った方もいるかもしれません。確かに中にはそうやってくれる人もいるかもしれません。

    しかし、本質的には非正規社員に正社員並の教育というのは、先程の等価の法則が成り立ちません。

    ですから、根本的に無理なことをしようとしているのです。その無理を通すことで、さらに別の問題が発生する恐れもあります。

    最初から正社員で雇用し、人件費を多く掛けていれば、そのような無理をすることもないし、思わぬトラブルを回避できるかもしれないのです。

    専門の業者を使う

    別の例も出しましょう。専門業者についてです。

    専門の業者に頼らず、自社内で済ませようとする会社があります。

    確かに自社内でやった方が経費を抑えることができるでしょう。

    しかし、そうすることで弊害があることに、全く気付いていない会社も多いようです。

     

    自社内にノウハウを蓄積していて、専門業者に負けないほどのノウハウがあるのでしたら、自社内でやってもいいかと思いますが、それほどノウハウもないのに、経費を削減するために、自社内でやろうとするのはとても危険だと思います。

    このことについては、ケースバイケースですが、様々なデメリットがあります。

     

    例えば、ホームページを自社で制作している会社がありますが、ある程度詳しい社員でも、まずプロと同じレベルのものは作れません。

    そもそも、ホームページ作成のプロでさえ、しっかりとしたノウハウとスキルを持っている会社は一握りなのですから。

    それなのに、社員にホームページを作らせたことによって、本来得られるべきアクセスが得られず、機会損失が生じている可能性があるのです。

    もしかしたら、毎月10人の見込み客を失っているかもしれません。しかし、ノウハウがないばかりに、そのことにさえ気付くことができないのです。

     

    他にも、自社内で済ますことで、ノウハウがないために何らかのトラブルを引き起こす可能性があります。

    専門業者を使っていれば、トラブルが起こった際に対応してもらえますが、自社内で済ませた場合、社内でトラブルを解決しなくてはいけなくなります。

    この場合、専門業者は保険と一緒で、万が一の場合に対応してくれるという大きなメリットになる訳です。

     

     

    他にも様々な例がありますが、長くなるので、これくらいにしておきたいと思いますが、いくつか例を出すことで、なんとなくニュアンスは伝わったのではないかと思います。

    繰り返しますが、無駄な経費を掛けた方がいいという話ではなく、「経費削減」と経費を減らすことばかり考えるのは危険であり、適切に経費を使うことをおすすめしますということが言いたいのです。

    私自身も自社内でできることでしたが、専門業者を使っていたことで、トラブルに対応してもらい、とても助かった経験があります。

    確かに利益を高めるのは大切ですが、この経験から必要なものには経費を掛けておくことの重要性を学びました。

    独立してから、改めてサラリーマン時代のことを思い起こすと、必要な経費までケチっていた経営者が多かったように感じています。

    特に人件費に関しては、給料が安いばっかりに優秀な社員が辞めていくケースも多く見かけました。

    優秀な社員の流出は、短期的にも長期的にも会社にとって大きな痛手です。

    優秀な社員が残らない会社は、いつまで経っても苦労が多いですし、また経営も苦しい状態が続くでしょう。

    それもこれも、人件費を多くしていれば防げた問題なのです。

    今はその時代よりも、非正規雇用が増え、ますますそういった問題を抱える企業が増えているかと思います。

    バブルの崩壊と長引く不況のせいで、消費者ニーズが価格志向に大きく傾きました。

    しかし、だからといって価格競争だけしていては、その会社の将来は厳しいでしょう。

    そのためにも、人材の流出を防ぎ、ノウハウとスキルの蓄積が必要だと思います。

    どんなに優れた戦略でも、その戦略を実行できる優秀な社員がいなければ、実行できません。

     

    人件費の話ばかりになってしまいましたが、必要なところにはお金を掛けるだけでなく、必要ないと思っていたものをもう一度見直してみてはいかがでしょうか。

  • ビジネスでは、やっぱり“信用”が大切

    昔から「商売は信用第一」などと言われていますが、ビジネス、特に日本では信用があるか・ないかは非常に大切な要素だと思います。

    しかし、私自身は信用をそれほど重要視していません。

    一見矛盾したように感じるかもしれませんが、私は日頃からお客様に対して誠実に対応し、プロとしての仕事をしており、そうしていれば当然のように信用が得られるので、わざわざ信用について考える必要がないからです。

    私が特別という訳ではなく、大部分の方がお客様に対し誠実に接して、プロの仕事をしていて、当たり前だと感じていると思います。

    なのになぜ、今回わざわざ『信用が大切』という当たり前のテーマについて書くかと申しますと、世の中には信用を得られないようなことをして、それに気付いていない会社もあるからです。 

     

    よく企業理念などに「信用」などを掲げていたり、お客様に対して「信用」「誠実」などの言葉を使っている会社がありますが、大事なのは理念に掲げたり、お客様に対して話すことではなく、お客様から信用を得られるかどうかです。

    なぜならば、信用できる・できないは、会社が決めることではなく、お客様が決めることだからです。

    誠実な対応をしていないのに、「誠実」という言葉を使い、ますます信用をなくしている会社もあります。

    信用をなくす(されない)原因は大きく分けて2種類あります。

    お客様に接する態度

    約束(契約)を守らない、言ってることとやっていることが違う、言ってることがコロコロ変わるなど、お客様との接し方に誠実さがなければ、信用をなくします。

    言わば人間性の部分で信用できるかどうかです。

    ビジネスマンの前に社会人として当然のことですが、このようなことをしている会社も少なくありません。

    プロとしての仕事ができない

    プロのレベルの仕事ができるかどうかです。

    特にサービス業など、アマチュアレベルでお金を取っている会社は仕事面で信用してもらえません。

    つまり、仕事面で信用できるかどうかです。

     

    今回は当たり前のことばかりですが、つい先日契約違反をしておきながら悪びれる様子もない会社があり、自分の中での当たり前が、常に社会の当たり前ではないということを改めて感じさせられました。

    ご縁があって、この記事を読まれた方も今一度お客様にどのように接していて、どのように思われているか再確認されてみてはいかがでしょうか。

  • サラリーマン感覚の社員はダメなのか?

    以前、知人の役員の方が、このような会社の不満をおっしゃっていた。

    「ったく、どいつもこいつも、うちはサラリーマン感覚の社員ばかりだな。」

    その役員の方は社員にサラリーマンとしてではなく、経営者のつもりで働いてほしいと思っているみたいです。

    このブログを読んでいる方で、この役員の方の言葉に同調する方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそこには2つの問題があると思います。

     

    まず第一にに、「社員」は「社員」であり、役員ではありません。

    そもそも社員として雇っているのですから、役員と同じ仕事を求めること自体おかしな話です。

    これは甘えであり、このような経営層の甘えた考えがブラック企業を生むのです。

    「役員がサラリーマン感覚で~」というのなら話はわかりますが、社員が社員の役割を果たしているのですから、この事に不満を持つこと自体、お門違いなことなのです。

    社員は社員、役員は役員としっかり区別をつけるべきです。

     

    第二に、そのような人材になってほしいのであれば、そうなるように育てるのが経営層の仕事です。

    自身の役割を果たさずに社員に責任を押し付けるのは、責任者として失格です。

    理想の人材に育つシステムを構築していないために起こっていることですから、責めるのは社員ではなく、経営層であるその役員の方自身を責めるべきなのです。

    「会社から育てようとせず、自ら努力する見込みのある人材を重要なポストにする」

    という考えの経営者の方もいらっしゃいますが、では自ら努力しない社員しかいなかったらどうするのでしょうか?

    結局、最終的な責任は経営者であるあなたが取らなければならないのです。

    社員任せにすればその分の時間を作れるというメリットはありますが、自分がコントロールできなくなるという大きなリスクも同時に背負うことになります。

     

    もしこのような事を思っている経営者の方がいらっしゃったら、ぜひ役割と人材育成について、もう一度考え直していただきたいと強く願います。