経費削減の真逆の発想~あえて経費を多く掛けるという考え方


様々な業界でコモディティ化が進み、多くの業界が価格競争に陥っている今、経費削減が声高に主張され、至る所で経費を削減しています。

価格競争に打ち勝つため、利潤を高めるために正しい選択だと思われがちですが、必要なコストまで削減してしまったり、長期的視野が欠けていることに気付いていない会社が多いように感じています。

 

会社の創業期は、まず利益を上げることが最重要課題となりますが、ある程度経営が安定した後は、利益を高めるという言わば「攻め」の要素の他に、経営を安定させるための「守り」の部分も必要になってきます。

その「守り」の部分で大切になってくるのが、リスクマネージメントです。

リスクマネージメントとは、言葉通り「危機管理」のことで、いかに危機を想定し、回避するかだけでなく、危機に対しての対処法まで描くことが必要です。

人件費を多く掛けるという考え方

さて本題に戻りますが、経費削減の真逆を行くあえて経費を多く掛けるについてですが、様々な分野で多く経費を掛けることでメリットを得ることができます。ちなみに、もちろん闇雲に経費を掛ければいいという意味ではありませんのでご注意を。

例えば人件費ですが、非正規雇用が増えていますが、重要な職務を正社員で、それほど重要でない職務を非正規雇用で賄っている会社があります。

一見とても合理的な判断のように見えますが、私はそうは思いません。

非正規社員と正社員では、会社に対するロイヤリティが変わってきますし、モチベーションも変わってくるからです。

「お金をもらってるんだから一生懸命働け」と思う経営者の方やマネージャーもいらっしゃるかもしれませんが、それは無理な話です。

ナポレオン=ヒルの考えを引用すれば、等価ではないからです。

人間は能力の違いがあるにせよ、与えられたものと等価の仕事をします。

ですから、非正規社員というものを与えておきながら、正社員の働きを得ることができないのです。

それは、味噌ラーメンの料金しか払わないのに、「チャーシューメンにしろ」と言ってるのと同じなのです。

仕事だけでなく、非正規社員が思わぬトラブルを起こしてしまったニュースをテレビでよく見かけますが、これももしかしたら正社員で社員教育を徹底していたら防げていたかもしれないです。

「非正規社員にも正社員並の社員教育をする」と思った方もいるかもしれません。確かに中にはそうやってくれる人もいるかもしれません。

しかし、本質的には非正規社員に正社員並の教育というのは、先程の等価の法則が成り立ちません。

ですから、根本的に無理なことをしようとしているのです。その無理を通すことで、さらに別の問題が発生する恐れもあります。

最初から正社員で雇用し、人件費を多く掛けていれば、そのような無理をすることもないし、思わぬトラブルを回避できるかもしれないのです。

専門の業者を使う

別の例も出しましょう。専門業者についてです。

専門の業者に頼らず、自社内で済ませようとする会社があります。

確かに自社内でやった方が経費を抑えることができるでしょう。

しかし、そうすることで弊害があることに、全く気付いていない会社も多いようです。

 

自社内にノウハウを蓄積していて、専門業者に負けないほどのノウハウがあるのでしたら、自社内でやってもいいかと思いますが、それほどノウハウもないのに、経費を削減するために、自社内でやろうとするのはとても危険だと思います。

このことについては、ケースバイケースですが、様々なデメリットがあります。

 

例えば、ホームページを自社で制作している会社がありますが、ある程度詳しい社員でも、まずプロと同じレベルのものは作れません。

そもそも、ホームページ作成のプロでさえ、しっかりとしたノウハウとスキルを持っている会社は一握りなのですから。

それなのに、社員にホームページを作らせたことによって、本来得られるべきアクセスが得られず、機会損失が生じている可能性があるのです。

もしかしたら、毎月10人の見込み客を失っているかもしれません。しかし、ノウハウがないばかりに、そのことにさえ気付くことができないのです。

 

他にも、自社内で済ますことで、ノウハウがないために何らかのトラブルを引き起こす可能性があります。

専門業者を使っていれば、トラブルが起こった際に対応してもらえますが、自社内で済ませた場合、社内でトラブルを解決しなくてはいけなくなります。

この場合、専門業者は保険と一緒で、万が一の場合に対応してくれるという大きなメリットになる訳です。

 

 

他にも様々な例がありますが、長くなるので、これくらいにしておきたいと思いますが、いくつか例を出すことで、なんとなくニュアンスは伝わったのではないかと思います。

繰り返しますが、無駄な経費を掛けた方がいいという話ではなく、「経費削減」と経費を減らすことばかり考えるのは危険であり、適切に経費を使うことをおすすめしますということが言いたいのです。

私自身も自社内でできることでしたが、専門業者を使っていたことで、トラブルに対応してもらい、とても助かった経験があります。

確かに利益を高めるのは大切ですが、この経験から必要なものには経費を掛けておくことの重要性を学びました。

独立してから、改めてサラリーマン時代のことを思い起こすと、必要な経費までケチっていた経営者が多かったように感じています。

特に人件費に関しては、給料が安いばっかりに優秀な社員が辞めていくケースも多く見かけました。

優秀な社員の流出は、短期的にも長期的にも会社にとって大きな痛手です。

優秀な社員が残らない会社は、いつまで経っても苦労が多いですし、また経営も苦しい状態が続くでしょう。

それもこれも、人件費を多くしていれば防げた問題なのです。

今はその時代よりも、非正規雇用が増え、ますますそういった問題を抱える企業が増えているかと思います。

バブルの崩壊と長引く不況のせいで、消費者ニーズが価格志向に大きく傾きました。

しかし、だからといって価格競争だけしていては、その会社の将来は厳しいでしょう。

そのためにも、人材の流出を防ぎ、ノウハウとスキルの蓄積が必要だと思います。

どんなに優れた戦略でも、その戦略を実行できる優秀な社員がいなければ、実行できません。

 

人件費の話ばかりになってしまいましたが、必要なところにはお金を掛けるだけでなく、必要ないと思っていたものをもう一度見直してみてはいかがでしょうか。

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