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  • サラリーマン感覚の社員はダメなのか?

    以前、知人の役員の方が、このような会社の不満をおっしゃっていた。

    「ったく、どいつもこいつも、うちはサラリーマン感覚の社員ばかりだな。」

    その役員の方は社員にサラリーマンとしてではなく、経営者のつもりで働いてほしいと思っているみたいです。

    このブログを読んでいる方で、この役員の方の言葉に同調する方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそこには2つの問題があると思います。

     

    まず第一にに、「社員」は「社員」であり、役員ではありません。

    そもそも社員として雇っているのですから、役員と同じ仕事を求めること自体おかしな話です。

    これは甘えであり、このような経営層の甘えた考えがブラック企業を生むのです。

    「役員がサラリーマン感覚で~」というのなら話はわかりますが、社員が社員の役割を果たしているのですから、この事に不満を持つこと自体、お門違いなことなのです。

    社員は社員、役員は役員としっかり区別をつけるべきです。

     

    第二に、そのような人材になってほしいのであれば、そうなるように育てるのが経営層の仕事です。

    自身の役割を果たさずに社員に責任を押し付けるのは、責任者として失格です。

    理想の人材に育つシステムを構築していないために起こっていることですから、責めるのは社員ではなく、経営層であるその役員の方自身を責めるべきなのです。

    「会社から育てようとせず、自ら努力する見込みのある人材を重要なポストにする」

    という考えの経営者の方もいらっしゃいますが、では自ら努力しない社員しかいなかったらどうするのでしょうか?

    結局、最終的な責任は経営者であるあなたが取らなければならないのです。

    社員任せにすればその分の時間を作れるというメリットはありますが、自分がコントロールできなくなるという大きなリスクも同時に背負うことになります。

     

    もしこのような事を思っている経営者の方がいらっしゃったら、ぜひ役割と人材育成について、もう一度考え直していただきたいと強く願います。

  • 優秀な人材を確保するためには?3

     優秀な人材に教育したり、採用して人材を確保できたら、会社に居続けてもらわなくてはなりません。

    せっかく育てても流出してしまえば、それに掛けた費用や労力が全て無駄になってしまいます。

    ですから、もしあなたの企業が離職率が高いのならば、離職率を下げなくてはなりません。

    そのためには、社員の心理を考えなければいけないので、社員が辞める理由を考えてみましょう。

    社員が辞めるのは、いくつかの理由があります。
    1.給与
    2.人間関係
    3.仕事のやりがい
    4.会社の将来性
    5.その他

    辞める理由の大半は、これらの理由なので、これらの要素を改善すれば、かなり離職率は改善されるはずです。

    ※給与は経費と直接関係するので、どうしても改善できない場合は、他の要素で補う必要があります。

    1.給与
    安い給与しか払わなければ、社員の生活は苦しくなるので仕事に対するモチベーションは低下します。

    「衣食足りて礼節を知る」という言葉もありますが、生活が苦しければ、しっかりと働いてくれません。

    2.人間関係
    上司と部下の関係がうまくいかないのは、マネージャーのマネージメント能力に問題があります。

    また、社内や部署全体の人間関係が悪い場合は、ストレスの多い業務をさせている可能性もあるので、ストレスを軽減させる改善が必要かもしれません。

    3.仕事のやりがい
    なかには、仕事にやりがいを求めている社員もいます。

    そういった社員は、安定した企業でもやりがいを求めて辞めてしまう場合もあるので、仕事のやりがいも教えてあげる必要があります。

    逆に、仕事のやりがいがあれば、多少給与が少なくてもがんばってくれる社員もいます。

    4.会社の将来性
    終身雇用が崩れたと言っても、社員も好き好んで他所に移ろうとは考えません。

    しっかりと将来がある会社なら、長くいたいと思うでしょう。

    公務員や大企業の離職率が低いのは将来性が大きく関与しています。

    逆に、経営者の能力が低ければ、優秀な社員ほど、それを見抜き、他所でもやっていけるので辞めていきます。

    5.その他
    社交辞令を除き、実際に家業を継ぐ、親の介護のため実家に戻るなどの理由の場合は、会社としての対策は難しくなってきます。

    何とか妥協点を見つけるか、あきらめるしかありません。

    詳しく説明すると長くなってしまうので簡潔に説明いたしましたが、以上の方法を行えば、必ず優秀な人材を確保することができるので、ぜひ実践してみてください。

  • 優秀な人材を確保するためには?2

     多くの企業で優秀な人材を育てられないのは、これらの理由です。

    1.社員教育の改善策は、まずしっかり経営に関しての教育を行うことが必要です。

    その知識を理解させるために、時々経営に関しての意見を聞けばさらに有効です。

    そうすれば、経営者の視点から物事を考えるので良いトレーニングになり、さらに経営者から意見を求められたとなれば、モチベーションも上がるでしょう。

    この時に、褒めてあげるのが大切です。

    どんなに悪い意見でもけなしてはいけません。

    けなしてしまうと自信を失い、モチベーションも下げてしまうからです。

    悪い意見でも、どこか良い部分を探して褒めてあげた上で、改善点を指摘してあげると、社員も問題点が見えて改善しやすくなります。

    2.人事評価の改善策は、人事評価に経営に関する知識も追加することを明言すれば、社員も昇進のために勉強をするでしょう。

    その時に、どのような知識をどのように習得すればいいのかまで説明すると、より効果的です。

    3.人材採用の改善策は、まず採用したい人材はどのような人材なのかを人事部に伝えます。

    さらに、人事部の人材自体に経営に関する知識がなければ、優秀な人材か見極めることができないので、人事部の社員に対しての教育が必要です。

    また、経営者に時間があるならば、人材採用に経営者自身が関わっても良いでしょう。

  • 優秀な人材を確保するためには?1

     企業の成長はおろか、存続に欠かせないのが優秀な人材です。

    しかし、大企業を含めほとんどの企業が、真剣に優秀な人材を確保しようとしているとは思えません。

    優秀な人材がたくさんいる会社は、例え資本が少なくても成長できる可能性が格段に高くなります。

    では、優秀な人材とはどのような人材でしょうか?

    私は、日々の業務を遂行できる能力だけでなく、経営に関する知識がある人材だと思います。

    社員全員が経営に関する知識があれば、社員全員が会社のベクトルに合わせて行動することができ、現場レベルでの業務の改善、さらに現場から経営を改善するのに有効な良いアイディアも得ることができ、将来のマネージャーや役員にする人材にも困ることがなく、優秀な人材をマネージャー・役員にすることができます。

    しかし、多くの企業ではこのような優秀な人材を得る努力をしていません。

    1.社員教育
    まず、ほとんどの企業は社員に対して経営に関する教育を行っていません。

    幹部向けに教育を行っている会社でも、財務や経営に関する理論を少し教える程度なので実践で使えるレベルまでの習得は難しく、また社員はサラリーマンなので、理論を覚えてもそれを実践に活かせるほど知識を習得する必要がないので、理論以上のレベルで理解することは少ないでしょう。

    つまり、教育を全くしていないか、していたとしても、しっかり理解するまでの教育を行っていないので、優秀な人材が育つシステムができていないのです。

    2.人事評価
    幹部になる前まで遡って考えても、多くの企業の人事評価の方法が、実績と勤続年数です。

    考えればわかることですが、実績と勤続年数は両方とも経営に関する知識とは無関係なのです。

    社員のモチベーションや将来性を考えれば必要なことですが、これも優秀な人材を育てるシステムにはなっていません。

    そもそも、マネージメントの教育をしないでマネージャーにしている企業も多いです。

    3.人材採用
    新卒採用を除いて中途採用の場合、人事部は何を基準にして人材を採用するでしょうか?

    その多くが、今までの経歴・経験、即戦力になるかどうか、あとは人柄で採用・不採用を決めています。

    短期的な視野で見れば、それは正しいかもしれませんが、長期的に見れば仕事ができるサラリーマンを増やしているだけなので、本当に優秀な人材を採用するシステムではないでしょう。

    そもそも、経営がわからない人材が採用を決めているのですから無理もありません。

    極端な話で言えば、ファーストリテーリングの柳井社長が応募しても、募集している職種の経験がなければ不採用にするでしょう。

    多くの企業が行っている採用には、このようにとても大きな機会損失を含んでいるのです。