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  • 日本をダメにしたのはB層なのか?

    週プレNEWSで「日本をダメにした“B層”ってなんのこと?」という記事がありました。

    ちなみに、B層とは『マスコミ報道に流されやすい、比較的IQが低い人たち』のことだそうで、そのB層が、選挙だけでなく、マーケットもおかしくしたということを訴えています。

     

    記事中に「A層はB層を相手にしたらお金になるから、マーケティングを駆使して、積極的にB層向け商品を作り続ける。B層はそれにカモられ続けるわけです」と書いており、カモられ続けている人間が悪いというのは、「詐欺に引っ掛かったら騙された方が悪い」と言っているのと同じです。

    カモる方の責任には一切触れず、カモられる方の責任だけ問う姿勢に違和感しか感じません。

     

    「それと一流のものが例えば『コスパ』といった一面的な価値観によって並列に扱われるようになっている」ことに疑問があるのは私も同じです。

    しかし、その原因はB層をカモにして、コスパといった一元的な価値に誘導したA層(企業、マーケッター、広告代理店)に責任があるのではないでしょうか?

    価格競争をして「安さ」の訴求をすれば、短期的には簡単に売上を伸ばすことができます。

    しかし、安さやコストパフォーマンスを訴求すれば、利益率が下がるだけでなく、適正価格を下げ、消費者の判断基準を価格志向に変えてしまいます。

    この記事を読む限りでは、デフレに誘導しているのは、A層ではないでしょうか。

     

    私に来るお問い合わせの中にも、記事中のB層に定義される方が多くいます。

    その方々は、言ってみればユニクロの価格でルイ・ヴィトンの商品を求めているのと一緒です。

    価格は最安値、品質は一流ブランドを求めてきます。

    しかしそれは、企業やメディア、広告代理店が、コストパフォーマンスばかりしか訴求や報道してこなかったからです。

     

    それに、よほどその業界に詳しい消費者でない限り、商品の価値を100%理解することはできません。

    ルイ・ヴィトンはブランドがあるから、価値がわかるのであって、一般の会社はブランドがないので、消費者はその会社の商品がユニクロレベルなのかルイ・ヴィトンレベルなのか判断ができないのです。

    だから、判断基準が価格だけになってしまうということもあります。

     

    いくら嘆いたところで、B層がいなくなるはずがないですし、自社の商品のことをわからない方に、どのような商品かを知ってもらうのが、マーケティングであったり、商売なのですから、商品の良さを訴求せず、安易な価格訴求ばかりをして、世論をコストパフォーマンス・価格志向に誘導(洗脳)してきたマーケッターやメディア、広告代理店に問題があるのではないでしょうか。

     

    日本をダメにした“B層”ってなんのこと?

  • 金持ち父さん(倒産)、貧乏父さん(倒産)

    タイトルは皮肉です。

    久しぶりの更新ですが、今回は『金持ち父さん、貧乏父さん』で有名なロバート・キヨサキ氏について、書きたいと思います。

    ご存じの方も多いかと思いますが、ロバート・キヨサキ氏の会社が倒産する予定です。

     

    ご存じない方のために、簡単にご説明しますと、『金持ち父さん、貧乏父さん』のブランド化やプロモーションを行っていた会社が、未払いの代金を請求する裁判を起こし、裁判所は料金の支払いをロバート・キヨサキ氏の会社に命じました。

    個人の資産や別の会社の資産を注げば払えるのですが、支払いを避けるため、請求された会社を倒産させ、別の会社で事業を存続していくということでした。

     

    請求された会社を倒産させれば、確かに支払いを避けられます。

    ただ、未払いの代金の支払いを避けるために、会社を倒産させ、別の会社で事業を継続させるのは、悪く言えば「合法的な借金の踏み倒し」です。

    金持ちになる方法を教えているので、『金持ちになる』という趣旨からは、ずれていないかもしれません。

    ノウハウの販売は言わば人気商売と同じで、「どれだけ支持されるか?」が重要です。

    ここまで『金持ち父さん、貧乏父さん』を育てた会社に対して、そのような仕打ちをすることに、少なくても私は反感を抱き、今後『金持ち父さん、貧乏父さん』に関連するものを購入するのをやめようと思いました。

     

    私の他にも反感を持った方も多いことでしょう。

    それを考えれば、『金持ち父さん、貧乏父さん』ブランドのダメージは測り知れず、数年先のことまで考えれば、請求額よりも多い損失になるかと思います。

    有名な分、別のブランドを立ち上げることも難しくなりますし、なぜ今回支払いをそこまで渋ったのか私には理解できません。

  • 最高のコンサルタントとは?

    今まで何人もの経営コンサルタントを見てきましたが、誰一人として「すごい」と思える人がいませんでした。

    本来会社によって全く異なるので、知的労働が多いはずなのに、本に書いているようなことをほぼそのままやるだけ。

    これではケース毎のマニュアルさえあれば誰でもできるような仕事です。

    当のコンサルタントは一生懸命やっているのかもしれません。

    しかし、第三者から見ればそのように映るのだからしょうがありません。

    誤解しないでいただきたいのは、経営コンサルタント全員がダメだと言ってる訳ではなく、あくまでも私の体験です。

     

    経営コンサルタントはプロである以上、会社を良くできなければなりません。

    しかし、世の中に本当に会社を良くできるコンサルタントがどれくらいいるのでしょうか?

    ビジネスは価値の委譲です。

    なんの役にも立たないコンサルタントなら価値を生み出していると言えるのでしょうか?

    価値のない物にお金を支払うほど無駄なことはありません。

     

    繰り返しますが、全てのコンサルタントがダメだと言ってる訳ではありません。

    良いかどうかわからないコンサルタントを雇うなら、その前に最高のコンサルタントを試した方が良いという話です。

    最高のコンサルタントとは、誰だと思うでしょうか?

    「それは私です」と言いたいところですが、私よりももっと優れたコンサルタントがいます。

    そのコンサルタントとは「お客様」です。

    お客様の声を活用するというのはいろいろな本で書かれていますが、あえてその重要性を書きたいと思います。

     

    焼き肉チェーン店の「牛角」がお客様の声を活用して成長したことは有名な話です。

    ではなぜお客様の声は重要なのでしょうか?

    商品やサービスを購入してくれるのはお客様です。

    ですから、顧客心理を誰よりもわかっているのは経営コンサルタントではなく、お客様自身なのです。

    誰よりも顧客心理がわかっている人がアドバイスをくれるのですから、これ以上のことはありません。

    しかも、その最高のアドバイスを経営コンサルタントと比べると、微々たる経費でしてくれるのですから、費用対効果も最高なのです。

     

    お客様の声の中でも特に重要なのがクレームや悪評です。

    クレームと聞くと面倒だと思う方が多いでしょうし、悪評などは耳を塞ぎたくなるかもしれませんが、クレームと悪評にこそ改善のヒントが隠されているのです。

    クレームは、顧客満足を高め、リピート率を向上させるヒントを与えてくれます。

    しかも、サポートセンターを設置しておけば、わざわざお客様の方からタダでそのヒントをくれるのですから、これほどありがたいことはありません。

    また、ユニクロを展開しているファーストリテイリングの柳井会長は、以前インタビューで次のようなことをおっしゃっていました。

    「買わないお客様は、なぜ買わないのか考える」

    普通なら、「どうやったら買うか?」ばかりを考えているかと思います。

    しかし、柳井会長はその逆の発想なのです。

    「なぜ買わないのか?」のヒントが詰まっているのが悪評なのです。

     

    経営コンサルタントを雇うのもいいでしょう。

    しかし、その前に最高のコンサルタントである「お客様」に聞いてみるのはいかがでしょうか?

  • 勉強力を鍛えよう

    私は簿記の2級を社会人になってから独学で勉強して取得したのですが、上司からこのように言われました。

    「おめでとう。“どこかの学校に通ったの?”」

    その上司は、資格を取得するなら学校に行くのが当たり前だと考えていたようです。

     

    世の中で「資格取得」というと、本来は「何かに活かす」ことを目的としていますが、最近では「資格を取ること」が目的となっているケースが多いように感じます。

    「資格を取ること」が目的なら、学校に通った方が効率が良いかもしれません。

    しかし、本当に良いビジネスマンになるためには、学校に通って知識を詰め込むだけでなく、“学びとる力”、つまり「勉強力」が重要だと私は考えます。

    ※「勉強力」は私の造語です。

    学校に通えば資格取得に必要な知識を“与えて”くれますが、自ら学びとる力、「勉強力」が鍛えられないのです。

     

    松下幸之助の犬の尾からでも学べるという話がありますが、勉強力のある人は、何気ないことからでも学ぶことができ、どんどんビジネススキルを上げていきます。

    ですが、勉強力のない人は何を学ぶべきか人から教えられないと、学ぶことができません。

    実際のビジネスの現場で考えた時、マニュアルを与えれば、勉強力のない人でも、ある程度能力を向上させることができます。

    しかし、トップ階層や最新の技術になればなるほど、ほとんどマニュアルが通用せず、自ら学びとらなければならなくなります。

    つまり、サラリーマンなら勉強力がなくてもいいが、会社のトップであったり、これから起業を考えている人だったら、勉強力が必要なのです。

  • 商品の価値を理解し、対価を支払おう

    デフレと言われるようになって、もう何年も経ちますが、安易に価格ばかりに注目する人が増えたように感じます。

    インターネットの普及に伴い、情報が溢れるようになり、簡単に比較できるようになったのもその背景にあるのかもしれません。

     

    安く買えるというのは購入者にとってありがたいことですが、価格だけを重視して、「対価を支払う」ということを忘れてしまえば、いずれそのしっぺ返しを受けることになるでしょう。

    ナポレオン=ヒルは、「何かを得るには等価の物を差し出さなければならない」というようなことを言っていますが、「安い=良いこと」という印象を与えるようなマスコミの報道で、感覚が麻痺してしまっているのかもしれません。

     

    先日、私がやっているビジネスでこのようなお客様がいらっしゃいました。

    私がやっているビジネスは、業界の中でもかなり高い水準のサービスを提供しておりますが、価格はかなり低く設定しています。

     あるお客様が、私のビジネスを見て「価格が高め」だと言うのです。

    確かに低品質・低価格の会社と比べると若干高めです。

    しかし、同水準の他社と比べると数分の一の価格設定なので、品質を考えるとありえないほどの低価格なのです。

    しかも、話を聞くと、低品質・低価格の会社の料金で、高品質・高価格の価値を求めていたのです。

     

    ユニクロを展開するファーストリテイリング社が「g.u.」という低価格を武器にしたブランドもやっております。

    できるだけ良い買い物をしたいという気持ちはわかりますが、、「g.u.」の料金で「グッチ」を買うことはできません。

    いつかどこかで「g.u.」の料金で「グッチ」が買えると思える物が見つかったとしても、いずれそれが「g.u.」の価値しかないことに気付き後悔することでしょう。

     

    ナポレオン=ヒルが「世の中は等価の法則で成り立っている」ということを言っていますが、成功法則としてだけでなく、これは本来当たり前のことですが、いつしか忘れ去られようとしているのではないでしょうか?

    以前にも書きましたが、無駄な経費を削減するという考え自体は悪いことではありませんが、必要な経費をケチるのは、あまり賢いやり方ではありません。

    一番重要なのは、「適切」であり、「安物買いの銭失い」ではないのですから。